前回の投稿では箔押し印刷で作った今年の年賀状についてお話しました。
今回は、この年賀状に箔押しで印刷した落款印に光を当てたいと思います。
祖母が使っていた書道道具の中に小さな箱がありました。
箱を開けてみると、中には柔らかくてキラキラとした小石が入っています。
小石には落款が彫られていました。
落款とは書・絵画などに押す印鑑のこと。落款印とも言います。
可愛らしい小さな箱の中の小石、それは祖母が彫った落款印でした。
年賀状の「子(鼠)」の字を書いたのは母。
祖母と同じ「千」の字を名前にもつ母は、かつて祖母が小石に彫った落款を受け継いで使うことにしました。
こうして小石に刻まれた落款は、箔押し印刷で新しく生まれ変わりました。
普通印刷では表現できない風合い。
触って質感を楽しむことができるのも箔押し印刷の良さです。
落款印と同じように、手書きのサインから箔押し印刷を作ることもできます。
名刺や本の装丁に、落款印や手書きのサインを箔押し印刷で入れるのも素敵ですね。